お金のこと

家計簿つけてもお金が消える!?――無駄使いは簿記で発見


導入:家計簿をつけてもお金が貯まらないのはなぜ?

「家計簿をつけてるのに、全然お金が貯まらない…」
そう感じたことはありませんか?

多くの家庭が家計簿アプリやノートを使って支出を記録しています。
でも、記録はできても“分析”ができていないことがほとんど。


いくら使ったかはわかっても、

「それが良い使い方だったのか」

「資産が増えているのか」

は見えにくいですよね。

ここで役に立つのが、簿記の考え方です。

簿記と聞くと、

「会社の経理で使うもの」

「試験が難しそう」

と身構える人も多いですが、
実は、家計管理に応用するとものすごく強力な武器になります。


簿記の基本:お金の流れを「仕訳」で見る

簿記の世界では、すべての取引は「資産・負債・収益・費用」の4つに分類されます。
家計に置き換えると、こうなります👇

分類家計でのイメージ
資産将来の価値になるもの預金、株式、持ち家など
負債将来の支払い義務があるもの住宅ローン、教育ローンなど
収益お金が入ってくること給与、副業収入など
費用お金が出ていくこと食費、水道光熱費、保険料など

簿記を学ぶと、「この支出は“費用”か、それとも“資産の購入”か?」という視点が生まれます。
つまり、「使う」と「投資する」の違いが見えてくるのです。


■ 実践例①:持ち家は資産か、それとも負債か?

よく話題になるテーマが「持ち家は資産か負債か?」という問い。

簿記の考え方で見ると、答えはこうなります👇

  • 資産:土地・建物の“価値”を持っている部分
  • 負債:ローン残高という“支払い義務”の部分

つまり、「持ち家=資産」とは限りません。
ローンが残っているうちは、「資産と負債がセット」の状態なんです。

仮に、3,000万円の家を購入して、ローンが2,500万円残っている場合、
バランスシート上では「資産3,000万 − 負債2,500万 = 純資産500万」。

ここでのポイントは、“家の価値”が下がれば資産も減るということ。

つまり、「持っているから安心」ではなく、「価値を維持できるか」が重要です。

家を“住むための資産”と考えるのか、“売却しても価値が残る投資”と考えるのか、

簿記の視点を持つことで判断がより冷静になります。


■ 実践例②:積み立て保険は本当に“安心”か?

次に考えたいのが、「積み立て保険の必要性」。
子どもの教育資金や老後資金のために、積み立て型の保険に入っている家庭も多いですよね。

一見「貯金+保険=安心」に見えますが、簿記の目で見ると違う面も見えてきます。

積み立て保険は、

  • 一部は「将来の返戻金(資産)」
  • 一部は「保障にかかる費用」

この2つが混ざっています。

つまり、「資産」+「費用」のハイブリッド商品なんです。

ところが、家計簿では保険料がひとまとめに「支出」として記録され、
実際にどれくらいが積み立て部分(資産)なのかを把握していない人がほとんど。

ここで簿記の感覚を持っていると、
「この保険、実質的に毎月いくら“損金”になっているのか?」
という計算ができるようになります。

つまり、簿記を知ると“見えないコスト”に気づけるようになるのです。


子育て世代こそ簿記を知るべき理由

育児中は、収入が一時的に減ったり、支出が増えたりする時期。
おむつ代、教育費、住宅ローン、保険料…家計がジェンガのように不安定になることもあります。

そんな時こそ、「お金の流れを正確に理解する」ことが安心を生みます。

簿記の知識があると、

  • 家計簿を“数字の意味”として読むことができる
  • どの支出を削るべきかを感覚でなく理屈で判断できる
  • 将来のリスクを「負債」として見積もることができる

たとえば、子どもの教育資金を“費用”ではなく“将来の資産形成”と考えれば、

「今のうちにどれだけ貯めるか」

「いつ取り崩すか」

という戦略が立てやすくなります。


簿記は「家計のナビゲーション」

簿記は、単なる資格試験のための知識ではありません。
それはまるで「お金の地図」を読むスキルのようなもの。

道に迷ったとき、地図を読める人は焦らずに進めます。
お金の世界も同じで、「数字のつながり」が見えるだけで不安が減ります。

たとえ簿記検定を受けなくても、
「資産」「負債」「収益」「費用」という考え方を知るだけで、
家計の見え方がガラッと変わります。


まとめ:家計を“会社”のように見てみよう

簿記を学ぶと、家計が小さな「会社」に見えてきます。
あなたは社長、家族は社員。
限られた資金をどう配分し、どう成長させるか。

お金の流れを“感覚”ではなく“数値”で見ることができれば、
「なんとなくの節約」から「戦略的な家計管理」へと進化します。

子育てに奮闘するパパママにこそ、
この“お金の言語=簿記”を少しだけ取り入れてほしい。

それは、数字に強くなるだけでなく、
家族の未来を安心して構築できる力になるからです。

簿記とは、「お金の流れを見える化する技術」。
家計を整える一番の近道は、実は“会計の目”を持つこと。

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